人工知能が雇用に与える社会影響とメディア表象

早稲田大学政治経済学部ゼミ生の卒業論文概要書です。

Author: H.U.(2021年3月卒業)

本研究の目的は、人工知能(artificial intelligence, AI)の発展が私たち人間の雇用と働き方についてマスメディアを通じて、人々の関心にどのような影響を与えたのかを捉えることである。近年、情報通信技術(Information and Communication Technology, ICT)の発達は目覚ましく、5Gの生活への浸透とともに、AI・IoT (Internet of Things, IoT)の社会実装が進むことによって、超スマート社会へと移行している。こうした革新的な次世代技術による大きな社会変化は、一般に「第4次産業革命」と呼ばれる。次世代技術は現在人間が行っている労働の多くを代替する可能性があり、雇用への悪影響を懸念する声がある。本稿ではこのうち、人工知能が与える雇用への社会影響に着目し、収集したデータに対して計量テキスト分析・ヒューマンコーディング・相関分析を行った。結果として、有力なメディアの1つである新聞による人工知能についての報道が人々のトピックへの関心の度合いに影響を与えているかどうかについては立証することができなかった。しかし、新型コロナウイルスで自動化に拍車がかかり代替される仕事が増える一方で、メディアはそのマイナス面ではなく新たな雇用創出や人工知能の活用のようなプラス面を報じ、必ずしも雇用を奪うだけではないという人工知能の展望について論じることができる。

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