日本における安楽死に関する新聞報道の内容分析

本ラボを修了した、早稲田大学大学院 政治学研究科ジャーナリズムコース 修士課程修了生の論文概要書です。

Author: C.G. (2020年3月修了)

概要

 近年、日本社会においては安楽死をめぐって色々な論議がある。ニュースメディアは安楽死関連事件を熱心的に報道する一方、異なる視点から安楽死を論議している。公衆にとって、安楽死に関する情報が主に新聞報道によって得られている一方、新聞の報道は安楽死法制化に対する社会的な認識の構築を意識している。安楽死における新聞報道が安楽死法制化に不可欠な国民の共通的認識に重要な役割を果たしている。そのため、本研究では日本の安楽死における新聞報道を分析し、その報道姿勢を考察した。
 本研究はアジェンダ設定理論とフレーミング理論を踏まえて、新聞報道の内容分析をして、日本の新聞の安楽死における報道姿勢とその変化を考察する。「社会的な影響力」と「安楽死における関心度」という二つの指標で『朝日新聞』を研究対象として選択し、Holody(2011)が提示した安楽死におけるフレームを基づいて、コードブックを作成して新聞記事のヒューマンコーディングを行った。コーディングしたデータを分析して、『朝日新聞』の安楽死における報道姿勢とその変化をまとめた。分析結果を踏まえて、二つの結論がある。一つ目は、安楽死関連事件が発生するにあたって、新聞の報道姿勢が通常より医師側に原因があると推測する傾向がある。二つ目は、新聞は時間に従って安楽死を報道する姿勢が変わってきた。
 二つの結論における考察を通じて、本研究は『朝日新聞』の安楽死における報道姿勢とその変化を明らかにした。

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